西部戦線異状なし旧作とリメイク版の違いは?最後の結末もネタバレ考察

西部戦線異状なし旧作とリメイク版の違いは?最後の結末もネタバレ考察

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2022年に公開されたドイツ映画の名作「西部戦線異状なし」は、ドイツ人監督エドガー・ベルガーにより高評価を獲得した旧作をリメイクした戦争映画です。

歴史的にも残る映画界で戦争を題材にした不朽の名作で、旧作とリメイク版の違いを結末まで考察しました。

最後に主人公がどうなってしまうのか新旧の違いも含めネタバレに注意です。

今でも読み継がれている世界的ベストセラーにもなったレマルク著の小説に基づき、実写版のリメイク版映画がついに公開されました。

メガホンを取ったドイツ人監督は過去の作品で、多くの賞を受賞している実力派監督として知られています。

映画の最後までドイツ人の観点からリメイクした結末で製作されています。

本作「西部戦線異状なし」は、第一次世界大戦を舞台にしたドイツ人兵の立場で描かれた物語で、Netifilxから配信されていますが、ネタバレありで解説します。

 


西部戦線異状なし旧作とリメイク版の違いは?

1930年に公開された原作映画は、アメリカで製作され出演している俳優はアメリカ人が中心で、英語によるモノクロで撮影された反戦映画です。

アカデミー賞にもノミネートした旧作は、Amazon Primeから視聴することができます。

リメイク版はカラー映画でドイツ人監督により、ドイツ人俳優によりドイツ語で撮影されています。

旧作が気になるほどのストーリー展開とドイツ兵たちの戦地での過酷さ、現在のドイツ政治を映し出す政治家が登場するなど、戦争の背景に迫る政治情勢が映し出されているという違いがあります。

旧作よりも、派手な戦闘シーンとアクションで描写で戦争の恐怖を感じるスケールでリメイクされており、エンディングでは敗戦後、主人公パウルがどうなってしまうのか、旧作での主人公の死に異なる映像で終わっています。

 

旧作にはないシーンもあった!

戦地で知り合った戦友カットと民家に侵入し、カットはガチョウを盗むことに成功します。

しかし、次に訪れた時、パウルが民家に潜入し、卵を盗み出すことに成功するも少年に見つかってしまいます。

そして、二人は逃げ切り、貴重な卵を一緒に口にします。

その後、森の中で一人用を足しに行ったカットは、そこで少年に撃たれ瀕死の状態になります。

パウルは倒れたカットを支え、通り掛のトラックにも見捨てられながらも、基地に運びますがカットは既に息絶えていました。

戦争の発端となった国と国との関係。

敗北宣言を迫られたドイツ軍司令部での、高官らによる会議と、敵国フランス軍との不利な協定を結ばらなければならない状況で、歴史にも残ったドイツの政治家エルツベイガーが陸軍最高司令部と会談するシーンや、連合国との交渉する様が現実的な視点で映し出されています。

 


西部戦線異状なし旧作とリメイク版最後の結末もネタバレ考察

敗戦後も次々と犠牲者が出ている中、リメイク版ではパウルの死で幕を閉じています。

原作の書籍のラストは、「西部戦線異状なし、報告すべき件なし」との報告で締めくくられています。

旧作でのエンディングは原作本とは異なり、映画オリジナルで主人公が蝶々に向かって手を伸ばすシーンで終わっています。

本作の旧作とリメイク版共に、若者を戦地へ向かわせることへの怒り、命をかけて祖国のために戦う必要の無意味さが強く強調されています。

一人の若者の死よりも、長期化し、大量の犠牲を出している異常な戦争という狂気な風景が主人公を取り巻き、戦争開始から終戦まで若者が経験した過酷な風景で描かれています。

 

リメイク版の最後の結末ネタバレ考察

本作の終盤、ドイツ軍は停戦合意まで署名をしたにもかかわらず、突撃命令を下されます。

しかし、ドイツ軍のフリードリヒ将軍は、ドイツとフランス連合の合意を無視し、多くの若者を失った報復として、ドイツの勝利で戦争を終わらせたいと考え、元々協定前の作戦を遂行しようと、最後の攻撃を命令します。

将軍は代々輝かしい凱旋をしてきた家系で、軍人の家系らしく勝利で名を残したいという執念がありました。

これ以上犠牲者を出すわけにはいかないと判断を下す政治家と軍の司令部高官らの決断に反して、停戦前にフランス軍を全滅させようとしていたのでした。

そして、敗戦を知った主人公を含むドイツ軍の若者は、無惨にも命を落としてしまう者もおり、失わずに済んだ命の無念さが強烈に描かれています。

 


まとめ

旧作とは違い結末までドイツ人の視点から描かれ、戦争映画として、ドイツ映画代表作でアカデミー賞で数々の賞を獲得、旧作も同様、歴史に残る傑作映画として最後まで戦争の過酷さを鮮明に移し出しています。

アメリカ製作で公開された旧作「西部戦線異状なし」から世代を超えて、ドイツで製作されたリメイク版は、元のドイツ小説から映画化されています。

結末のネタバレになりますが、旧作とリメイク版映画「西部戦線異状なし」の違いを通して、変わらぬ反戦への強いメッセージと、当事国ドイツの視点でカラーで撮影されています。

最後に、反戦映画として、結末までネタバレなしでも想像がつく映画関係者の高評価を受けた大注目のドイツ映画です。