ナウシカのオープニングにある壁画の意味は何?元ネタもあるのかも解説

ナウシカのオープニングにある壁画の意味は何?元ネタもあるのかも解説

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1984年に公開され、約18億円の興行収入を挙げた「風の谷のナウシカ」。

宮崎駿監督が原作漫画を手掛け、映像化したものなのはよく知られてます。

「風の谷のナウシカ」には、現代社会への問題提起がなされている作品でもあります。

その中で、オープニングに出てくる壁画にも、なにか大きな意味や元ネタがあるようなのです。

では、風の谷のナウシカのオープニングに出てくる壁画の意味は何なのでしょうか。

今回は、風の谷のナウシカのオープニングの壁画の意味、元ネタは何を解説します。

公開から39年経っても愛され続ける、語られる作品の解説を改めてするのはワクワクします。

それでは、解説を始めていきましょう。

 


ナウシカのオープニングにある壁画の意味は何?

ちょっと面白かったので、トップ画に採用します。

「風の谷のナウシカ」はスタジオジブリ作品という認識があります。

ですが、スタジオジブリの設立は1985年です。

よって、厳密な初作は「天空の城ラピュタ」となるのです。

この「風の谷のナウシカ」の大成功があって、スタジオジブリの設立がなされたのです。

ナウシカが、後発のジブリ作品のキャラに説教しているのは、こういう背景があります。

まあ、それはともかくとして。

オープニングで流れる約1分間の壁画の意味について、解説していきましょう。

主に、5つに項目を分けて話を進めます。

 

天翔る船

カヌーのような形の船がふたつ描かれ、人々が乗っている姿が描かれています。

船が空を飛ぶこと自体がすごいのですが、なんとこの船で宇宙にも行けたのです。

この船は、他の星々へと出かけるために使われたものであり、今でいう「スペースシャトル」

現代文明ではまだまだ夢のまた夢ですが、「風の谷のナウシカ」の世界では簡単に出来ていました。

それだけ、高度な文明を持った世界が存在した、という意味になります。

 

新たなる世界

これは、青い服を着て、翼を持った[天使と思われる]存在に、人々が助けを求めているよう画です。

これは、「風の谷のナウシカ」が一度滅んだ世界からの再生を意味します。

そして、その再生を「青い服を着た天使」がもたらすという意味合いになります。

「風の谷のナウシカ」のキャッチコピーが「少女の愛が奇跡を呼んだ」

この少女こそ「ナウシカ」であり、滅びきった世界の再生への希望がまさに奇跡だったのです。

これは、過去ではなく、未来の暗示となっています。

 

オープニングの壁画

壁画全体が、いわば「人類の歴史」を示しています。

かつて高度な文明を持った人類の発展、そして、滅亡へと向かうさまがよく描かれています。

いわば、かつての人類の歴史を記した「歴史書」のようなものになっています。

特に滅亡を表しているのが、壁画の合間合間に挟まれる巨大な存在。

街は火の海に包まれ、無感情の並んで歩いていく様は非常に不気味で、恐怖を感じます。

 

巨神兵の製造

そして、かつての文明を破壊し、世界を滅びへと導いたのが「巨神兵」と呼ばれる存在です。

壁画にも、大きな人形が火を吹いて人々を襲う姿が描かれています。

そして、その直後には壊れたビルの何倍あるだろう大きさのある物体が「巨神兵」。

人間が自らの欲望のため戦争を起こし、結果すべてが失われてしまったのです。

 

恐ろしい戦争

作中では「火の七日間」と呼ばれる最終戦争を指します。

つまり、「巨神兵によってたった七日間で世界は滅ぼされた」のです。

現代で「七日間で世界を滅ぼす」兵器というと「核」が真っ先に浮かびます。

「風の谷のナウシカ」の世界でも、現世でも残念ながら人間が考えることが同じ。

権力者が自らの得のためだけに戦争を起こして、結果民衆が犠牲になる。

その最たる様が、「風の谷のナウシカ」では「火の七日間」です。

そして、現世でも「核戦争」が全く同じ結果をもたらすことは目に見えているのです。

 


ナウシカのオープニングにある壁画の元ネタはある?

というわけで。

オープニングの壁画が、「風の谷のナウシカ」のはじめと終わりを示したものになります。

では、あの壁画の画風、画のタッチについて元となっている作品はあるのでしょうか。

何が基調となったのかについても解説していきましょう。

この壁画の画風は「バイユーのタペストリー」から、着想を得ていると言われています。

「言われている」というのは、原作者である宮崎駿監督画面が名言していないためです。

「バイユーのタペストリー」は、いわゆる軍記物語になっています。

1066年にフランスのノルマンディー公ギヨーム2世がイングランドを征服しました。

[ノルマン・コンクエスト]と後に呼ばれるこの戦争の成り行きを、タペストリーにしたものです。

そのうちに一つの画像を代表として、貼り付けておきましょう。

引用元:https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/gallery/111001034/

たしかに、かなりタッチが似ています。

原作が「火の七日間」が1000年前、タペストリーが1000年前という点も一致します。

この「バイユーのタペストリー」が元になっている説は非常に有力です。

 

ラピュタにも使われている?

「天空の城ラピュタ」のオープニングも同じタッチで描かれています。

これは、「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」には繋がりがあることを示しています。

両者の作品で描かれているのは「人間が抱える闇」です。

力を握った人間が欲望に忠実に行動した結果、非常に歪んだ世界になってしまった。

古代から現代にかけて、人間が愚かであることを強く表現しているのです。

 


まとめ

風の谷のナウシカのオープニングの壁画に隠された意味、求めたネタは何を解説しました。

いかがだったでしょうか。

スタジオジブリ[正確には風の谷のナウシカはジブリではありませんが]は子供が見るイメージです。

ですが、今回のオープニングの壁画の意味、何が元ネタになっているのかを考える。

こうすると、子供たちが理解できないような、高度なメッセージが刻まれていることがわかります。

それと同時に、子供たちに絶対に伝え[解説し]なければならないメッセージでもあるのです。

スタジオジブリの作品はおとなになっても見ます。

ぜひ、「風の谷のナウシカ」で表現されているひとつひとつ。

今回取り上げた、オープニングの壁画の意味や元ネタにも思いを巡らしてほしいと思っています。